この記事は約 3 分で読めます ( 約 1240 文字 )

この記事にはプロモーションを含みます。

将棋画像

記事の概要

この記事では「惹かれる将棋を鑑賞しよう 第055局」の動画について書いていきます。

動画データ

日時
2001年10月16日
棋戦名
第14期竜王戦 七番勝負第1局
対局者
☗羽生善治 四冠☖藤井 猛 竜王
戦型
四間飛車
棋譜の出典
将棋DB2
使用した楽曲
ネレイア ~Battle Version~もぜ楽4
mozell
動画の投稿先

動画

ニコニコ動画Youtube

棋譜

形勢グラフ

形勢グラフ

雑記・感想

近い将来、新たな「藤井竜王」が誕生するかもしれないので、20年前に誕生した「藤井竜王」の栄枯盛衰を振り返ろうと思い選びました。

本局の見どころは以下が挙げられるでしょう。

  1. 羽生先生の馬が大活躍

戦型は☗左美濃VS☖四間飛車になりました。

藤井システムでは、6筋からの速攻を用意するため、早めに(本譜では18手目)☖6四歩を突くことが多いです。この歩を羽生先生が狙って21手目☗5五角としたところから戦いが始まります。

42手目☖4三銀が角取りの先手になっていますが、羽生先生はひるまず一度☗2四歩と突きます。☖4四銀☗2三歩成と進むと藤井先生の角得ですが、羽生先生の攻めの勢いが止まらなそうな気がするので☖同歩は仕方のないところですが、一瞬ヒヤッとする一手でした。

その後、羽生先生は角を左辺に展開し、藤井先生は態勢の立て直しを図ります。それが終わったら再度戦いが始まり、角交換が行われました。61手目に指された☗6四歩がなんとも不気味な感じですが、この歩が後々活きてきます。

角交換後、互いに馬を作り合いますが、羽生先生の馬は自陣に引き篭もった上自ら利きを止める71手目☗4五歩を指したりする等なかなか働く機会がなさそうなのに対し、藤井先生の馬は敵陣の少し手前で威張っています。藤井先生の方が指しやすそうな気がしますがこれからの数手で形勢が変化します。

羽生先生の71手目☗4五歩に対し、藤井先生は☖5五銀と応じます。羽生先生は☗5六金。ここで藤井先生は馬を見捨てて☖6八歩と打ちますが、これがあまり良くなかったような気がします。というのは本譜のように☗7九金と躱されてみると、6筋に歩が打てなくなるため、6筋の防衛手段が限られてきます。また、6筋には歩・馬が利いているためここを突破口にされる可能性が増加します。実際、この手を境に羽生先生がよくなったような気がします。

81手目☗5四歩~☗4四歩で羽生先生の馬が活性化します。88手目☖3六歩で一旦遮断されますが、羽生先生が91手目☗3六馬と指したのに対し☖1六金と飛車を取ったためこの馬が再び活性化しました。

その後は羽生先生の馬が藤井先生の守備陣を攻略するキーとなるほどの大活躍をし、そのまま羽生先生が勝利を収めました。羽生先生の大局観が大いに光った1局といえるでしょう。

BGMは適当にチョイスしました。